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PSA(前立腺特異抗原)
PSAは前立腺がんを早期に発見できる血液検査です。PSAは前立腺の細胞で産生されて精液の中に分泌されます。このうち、ごく一部が血液中に移行します。通常、成人男性では血清1mlあたり4ng( ナ ノ ク ゙ ラ ム:10億分の1 ク ゙ ラ ム)までが基準値といわれています。PSA検査に当たってはいくつかの重要注意事項があります。
1.前立腺がんを早く発見するには
直腸内触診とPSAを40歳・45歳のとき、50歳から毎年。自分の余命が10年以上あるまで続ける。エコー(超音波検査)も併用した方がより正確です
2.生検(病理組織診断)が必要な場合
●直腸内触診で異常があればPSAの結果にかかわらず生検を受ける。
●直腸内触診で異常がなくてもPSAが次のようなときは生検を受ける。
40歳代でPSAが2.5以上、50歳代でPSAが3.5以上、60歳代以上でPSAが4.0以上
●上記より低い数値でも最近2年間で1.5以上増加した場合。
*生検ができない方・怖い方は、まずエコーよりも診断能が高い、MRI検査をお勧めします。
3.PSA検査の勘違い
× PSA4.0未満はがんの心配がない
→4.0未満の方でも触診やエコーでがんが発見されることがあります。
× PSAが4.0 を超えたので前立腺がんにかかっている。
→4.1-10.0の間で生検によってがんが発見されるのは30%前後です。
約70%のひとはがんを持っていないことになります。10.0を越すともっと
高率に見つかります。
× PSAが4.0未満になったので前立腺がんは治った。
→4.0というのはがんを発見するための目安の数値です。
薬物治療で4.0を切ったからといって完治したわけではありません。
引き続き経過観察が必要です。
4.PSA検査を受けるにあたっての注意
●PSA採血の前、最低2日間は射精しない。
●直腸内触診の前に採血を受ける。
●前立腺の治療薬、脱毛治療薬、ホルモン製剤を使用している場合は前もって担当医に報告する。
●PSAが正常値より上昇し、再検査を受けるときは、PSA単独ではなく、フリー・トータル比も
測定して貰う。
●PSAの定期検査は同じ医療機関で同じ検査キットを使って再検査を受ける。
●PSAの上昇が、前立腺炎の影響の可能性が高い場合は、抗菌剤を2-4週間服用してから、PSAを
再検して貰う。それでも上昇していれば生検を検討する。
5.院長より
PSA検査はあくまでもひとつの目安にすぎません。前立腺がんの最終確定診断は、生検による病理組織診断です。詳しく知りたい方は、泌尿器科専門医にお尋ねください。
(参考文献:Campbell's urology 第12版、 Dr.Pafriclc Walsh's Guide to Surviving
Prostate Cancer)